国際芸術祭「あいち2022(ニーゼロニーニー)」が7月30日からはじまりました。
感じたことを勝手につづります。
あいちトリエンナーレから名前を変えて、(アートを知らない)日本人にわかりやすい名前になりました。
2010年から愛知で芸術祭がはじまったので、今回で5回目の開催です。
ちなみに、トリエンナーレとは、イタリア語で「3年に一度」という意味だが、3年に一度開催される芸術祭といえば、他には瀬戸内国際芸術祭ですね。毎回、愛知と瀬戸内の芸術祭が行われる年が被るので、その年はアート巡りで私は忙しくなります。
ビエンナーレはイタリア語で「2年に一回」の意味で、1895年から開催されているヴェネツィアビエンナーレが一番古いかと思います。たぶん。
国際芸術祭あいち2022の話に戻します。
【テーマ】 今回の国際芸術祭あいち2022のテーマは、「STILL ALIVE」。愛知出身の河原温の作品(I am still alive.)から着想を得たとのことらしいです。
「まだ生きています。」
ポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるか。
前回、あんなに騒動があったけれど、トリエンナーレがなくならなかったという意味での、still alive。
今回の参加作家はもう亡くなってる作家も混ざっているのだが、作品としてはまだ今でもstill alive。
私の捉え方は、コロナ禍を耐え忍んでまだ生きてます。私。still alive
河原温の作品も展示されてます。
【芸術監督】今回の芸術祭の芸術監督は、女性の方で片岡真美さん(森美術館館長、国際美術館会議(CIMAM)会長)です。
2022年、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中116位ですからね。韓国、中国より下ですよ。日本には有能な女性、いっぱいいます。
前回は津田大介さんでしたが、監督が変わると芸術祭の雰囲気も違いますね。津田さんの時はもっとフレンドリー感があった気がします。見る側、ボランティアする側等一般人に対してもとっても距離が近い感じ。(現代アートとは元々アウトサイダーであったり、政治色が強いものであったりするのだが、前回2019年は、今更ながら揚げ足取る人たちが現れてきて、大変なこともありました。)今までの芸術祭と違ったアプローチで、一般人も楽しめましたし、疲弊もしましたね。
今回はちゃんとした芸術祭です。フレンドリーではありません。
※個人の感想です。
【参加作家】今回は、過去の作品から今の作品まで新旧織り混ぜて、世界中のアーティストの作品だけでなく、かなりローカルにもフィーチャーしているので、愛知出身の作家なのに忘れさられた作家等再発見もあったり、かなり幅広く、包括的、インクルーシブな構成になってるという感想です。
といいつつも、まだ芸術文化センターしかみてないですが、あちこちの会場があるので、少しずつ見ていこうかと思う。
主な会場は、
- 愛知芸術文化センター
- 一宮市
- 常滑市
- 有松地区(名古屋市)
4会場、時間を要しそうです。
一宮は繊維の街、モーニング文化発祥の地。常滑は常滑焼、焼き物の街。有松は有松絞りの街。観光兼ねてアート巡りが出来そうな街です。
VRを使った作品(パフォーミングアーツ)があるので、前もってチェックして予約する必要がある作品もいくつかあり感じです。(※詳しくは公式サイトへ)
【感じた(る)こと、素人が鑑賞する注意点】 目でアートを楽しみたい、インスタ映えの作品が見たい、という場合は、瀬戸内国際芸術祭や大地の芸術祭等へ足を運んだ方がいいと思われる。
私は、インスタ映えな作品も好きだし、現場で作品と対面しなければわからない作品も好きなので、愛知の芸術祭は好きです。
一宮会場はまだ行ってないが、塩田千春さんや、奈良美智さんの作品が見られるので、インスタ映えスポットになると思います。
そもそも論---あ、現代アートって、やはりそもそも、(従来の美術あり方と真反対の)型にはまったものではない。衝撃や驚きや発見などがやはりある。
片岡さんの言葉を借りれば、「生きることは学び続けること。未知の世界、多様な価値観、圧倒的な美しさと出会う」という言葉に集約されている。
音で楽しめる作品もたくさんあるので、子供も楽しめる作品もあるのだが、アートとはポジティブな気持ちになれるものだけではない。楽しいものだけが現代アートではない。未知の世界との出会いとは、ポジティブなものだけではない。
なので、子供にアート作品を見せる時は、要注意である。と私は思う。
私自身、ちゃんと現代アートの作品を見るようになったのは(昔は芸術祭がなかったが)大学生になってからだったけど、それでもかなり衝撃走る作品も数々見た。大学生だったからよかったと思ってる。
親に連れられて、はたまた、学校のみんなと授業の一環で団体で、現代アートを見るのはどうかと思うし、見たいという子だけ見るのがいいと思うんだが、世の方々はどう捉えてるんだろう?ほんとうに興味あるのか?見たくない野球を連れられて見に行くのと同じくらい辛いのでは。
コンセプチュアルアートとは?誰からも説明もなく、理解できるのか?理解せずとも作品を感じさえすればいいのか?
インスタレーションという言葉さえも知らない人たちが、作品を見てそれぞれの解釈で楽しむ。本当にそれでいいのか? 野球のルールも知らずに野球をみるのと同じくらいわけわからないのでは。
やはり、物事を理解するには、背景知識がいると思う。
結局わからない人(層)には何がわからないかもわからない、アートの世界にも見えない壁がそこにある。
今回は、そんなことを感じてしまいました。
岸田清子さんの作品がインパクトが強かった。その時代、彼女の作品も全く知らなかった。
型破りなもの、常識から外れたものを見たい人、多様な価値観と出会いたい人は、ぜひ芸術祭へ足を運びましょう。
※月曜日は休館日です。